
赤耳デニムとは、デニム好きなら一度は耳にする言葉ですが、その意味や理由、種類までしっかり説明できる人は意外と少ないもの。この記事では、赤耳デニムが生まれた背景や、セルビッチとの違い、種類の見分け方まで丁寧にまとめました。これを読めば、赤耳ジーンズの基礎から歴史まですべて理解できます。
赤耳デニムとは|生まれた背景やセルビッチの違い

赤耳デニムとは、デニムの端に赤いステッチ(ライン)が入った生地を使ったジーンズのことを指します。もともとは「セルビッチデニム」と呼ばれる、旧式の織機で丁寧に織られたデニム生地の端(耳)を活かした仕様で、ほつれ防止のために赤い糸を走らせたのが始まりです。
今ではその赤耳がデザインのアクセントとして人気を集め、裾をロールアップしてラインを見せる着こなしが定番になっています。
1.赤耳が生まれた背景
赤耳デニムのルーツは、20世紀前半に使用されていたシャトル織機で織られた「セルビッチデニム」にあります。旧式の織機では生地の両端を丁寧に処理する必要があり、その縁取りを補強するために赤い糸が使われていました。これが「赤耳」と呼ばれる由来です。
当時のリーヴァイスをはじめ、多くのアメリカブランドがこの製法を採用していましたが、生産効率を重視する現代では少数のブランドのみが継続しています。そのため、赤耳デニムは、昔ながらの製法で作られた希少なジーンズとして特別視されるようになりました。
2.セルビッチとの違いは?
先述したとおり、赤耳デニムのベースとなるのが「セルビッチデニム」です。セルビッチとは「生地端全体」を意味し、端を丁寧に織り上げることでほつれを防ぐ仕組みです。赤耳はその中で赤い糸を用いた特別なタイプのセルビッチを指します。
実際には、青耳や白耳、黒耳など、さまざまなカラーバリエーションが存在します。色によってブランドや年代を判別できることもあり、コレクターやデニムマニアにとっては重要な情報です。『赤耳=セルビッチ』と誤解されがちですが、正確にはセルビッチの一種であり、デザイン性も兼ね備えた仕様だと言えます。
3.赤耳の価値
赤耳の価値は、単に見た目のアクセントだけではありません。旧式のシャトル織機で織られた生地は、1本ずつゆっくりと糸を重ねて作られるため、テンションが均一になり、色落ちやアタリが美しく出ます。大量生産では再現できないこの立体的な色落ちが、赤耳の価値を高める大きな理由です。
また、赤耳仕様は耐久性にも優れており、穿き込むほどに身体に馴染むため、ヴィンテージ感と実用性を両立させています。コレクターやデニム好きが赤耳ジーンズにこだわる背景には、こうした作りの丁寧さと経年変化の楽しさがあります。
赤耳が作られた理由とは|ファッションに残った赤いラインの背景
赤耳が生まれた理由は「生地端をほつれさせないため」です。旧式のシャトル織機は、横糸を往復させながら布を織るため、両端が自然に折り返されて強度のある生地端になります。そのままでは見た目が単調なため、ブランドごとに赤や青などの糸を入れて識別しやすくしたのが赤耳の始まりといわれます。
特に1950〜70年代はアメリカ製デニムの黄金期で、リーバイスをはじめ多くのワークウェアブランドが赤耳を採用していました。後に大量生産の需要が高まり、効率のよい革新織機が普及すると、赤耳を織れる旧式織機は姿を消していきます。しかし、90年代に入ると日本のデニムブランドが“昔の501の質感”を再現するために旧式織機を復活させ、赤耳人気が再熱。いまでは「こだわり派の選ぶ一本」の象徴として、再びファッションシーンに浸透しています。
赤耳の種類|赤耳・青耳・白耳…種類でわかる時代と個性

赤耳は一言で表せますが、実際には色や幅によって複数の種類があります。これを知ることで、ブランドや年代の違いを理解しやすくなります。特にヴィンテージデニムや国産デニムでは、赤耳以外の色も使われることがあり、ディテールに注目するとデニム選びが楽しくなります。
1.もっとも有名な赤耳
赤耳は、リーバイスの501を代表とするヴィンテージデニムでよく見られる仕様です。裾をロールアップしたときにちらりと見える赤いラインは、シンプルなコーディネートでもこなれ感を出し、穿き込むほど色落ちやアタリが美しく現れます。耐久性や経年変化の面でも赤耳は優れており、デニムファンにとって特別な存在です。
2.青耳・白耳などのカラーバリエーション
青耳や白耳は、リーバイス以外のブランドや時代によって使い分けられます。青耳は90年代リーバイスに多く、白耳は日本の国産デニムで採用されることが多いです。色の違いは単なる見た目だけでなく、年代やブランドの識別にもつながります。こうした違いを理解すると、赤耳の価値や背景をより深く知ることができます。
3.エドウィン505などモデル別の赤耳仕様
エドウィン505や国産ブランドでも赤耳やセルビッチ仕様が採用されています。505は、セルビッチの幅や織り方が年代やモデルごとに異なるため、同じ赤耳でも個性が感じられます。モデルごとの特徴を知ることで、自分のスタイルや用途に合ったジーンズ選びがしやすくなります。
赤耳デニムの着こなし応用|ロールアップで雰囲気を変える

赤耳デニムは、裾を折り返すことで見える赤耳ラインを活かしたコーディネートが魅力です。基本のロールアップ方法は前回の記事で紹介しましたが、ここではさらに応用テクや季節・足元別の着こなし方を詳しく紹介します。
1.ロールアップでの見せ方
赤耳は折り返しが少ないほど上品、2ロール以上でカジュアル。
季節や靴に合わせて使い分けると、同じデニムでも印象が大きく変わります。裾は1〜2回折り返す程度が自然で、太く折りすぎるとバランスが崩れるので注意しましょう。
2.足元との相性も重要
革靴やブーツと組み合わせることで、赤耳デニムが上品な印象に変わります。ジャケットやコートを合わせれば、ビジネスカジュアルや大人カジュアルにも対応可能です。赤耳はシンプルなスタイルに個性を加える役割を持つため、足元にこだわるだけで全体のバランスが整います。
まとめると
白スニーカー: 赤耳が最も映える
黒ブーツ : クラシック感が出る
ローファー : 清潔感のある着こなしに
赤耳デニムは足元との相性が非常に大きいアイテム。
足元を変えるだけで別のデニムのように見えるのが面白いところです。
3.季節別コーディネート
春:白スニーカー×1ロール
夏:サンダルと合わせて細ロール
秋:革靴×2ロールで深みを出す
冬:ブーツINでラインだけチラ見せ
赤耳はどの季節でも使える万能アイテム。春夏は軽やかにスニーカーでまとめ、裾を短めに折って爽やかさを演出。秋冬はブーツやレザーシューズで重厚感を出し、ジャケットやコートと合わせることで季節感のあるスタイルに。赤耳ラインはどの季節でもアクセントとして活用でき、コーディネート全体の奥行きを作る役割を果たします。
まとめ|赤耳の基本を知ればデニム選びがもっと楽しくなる
赤耳とは、デニムに欠かせない象徴的なディテールであり、ただの赤いラインではありません。旧式織機で丁寧に織られたセルビッチの証であり、生地の強度や風合い、穿き込むほど現れる色落ちなど、赤耳だからこそ生まれる魅力があります。赤耳の意味や歴史、種類がわかれば、デニム選びにも自信が持てるはずです。
SPRAWLSでは、赤耳デニムの取り扱いはございませんが、デニムを豊富に揃えております。ぜひチェックしてみてくださいね♪






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