カーゴパンツとは、もともと軍用の実用着として生まれたパンツの一種です。
特徴的なサイドポケットと無骨なシルエットは今も健在で、現在ではメンズ・レディース問わず人気のカジュアルアイテムとなっています。「カーゴパンツとは何か」「M65やM47って具体的にどう違うの?」「ズボンとしてどういうは位置づけなの?」など、素朴だけど意外と深い疑問を持つ人も多いはず。
そこでこの記事では、カーゴパンツのルーツから、代表的なモデル、スタイリング術まで幅広く紹介していきます。
カーゴパンツとは?まずは歴史を知ろう

カーゴパンツとは、本来は戦地での活動を想定して作られた、高い機能性を持つパンツです。最初に採用されたのは1938年頃のイギリス軍で、太もものサイドポケットが最大の特徴。これは戦闘中に両手を空けて行動できるよう、弾薬や地図などを収納する目的で付けられたものでした。
その後、第二次世界大戦中にアメリカ軍が改良を加えて採用。軍用アイテムとしての信頼性と利便性から、戦後は民間にも広く普及。1970年代以降、サバイバルゲームやアウトドア文化の広がりとともに、カーゴパンツは「機能的でかっこいいファッションアイテム」として浸透していきました。
現代では、ナイロンやストレッチ素材などを使った軽量・快適なモデルも登場。ツイルやキャンバス生地のクラシックなタイプとともに、コーディネートの幅を広げています。
カーゴパンツとは…ズボン?

「カーゴパンツってズボン?」という疑問に一言で答えるなら、カーゴパンツはズボンの一種だけど、特定の特徴を持つスタイルといえます。
「カーゴ(cargo)」という単語自体は、英語で「貨物」や「荷物」を意味します。つまり、「カーゴパンツ」は“荷物を運ぶために設計されたズボン”という意味合いがあり、収納力を重視した作りが最大の特徴です。
カーゴパンツが「ズボン」全体を指すわけではなく、ワークパンツ、チノパン、スラックスなどと並ぶズボンのカテゴリのひとつと捉えるのが正しいです。
特に目を引くのが太もものフラップポケット。これはデザイン的にも強いアクセントになり、ファッションに立体感やミリタリーテイストを加えてくれます。
つまり、「カーゴパンツ とは」ズボンのなかでも実用性とミリタリー由来のデザイン性を併せ持つ特殊なパンツだと言えるのです。
M65カーゴパンツとは?
「M65 カーゴパンツ」は、アメリカ陸軍が1965年に正式採用した戦闘服「M-65フィールドパンツ」のこと。ベトナム戦争時代に開発されたこのパンツは、高温多湿なジャングル地帯での活動を想定して設計されており、高い耐久性と機能性を兼ね備えた名作とされています。
生地はコットンとナイロンを混紡した「サテン生地」が使われていて、引き裂きや摩擦に強く、雨風にもある程度の耐性があります。さらに、裾に設けられたドローコードにより、ブーツインして泥や虫の侵入を防げる仕組みに。ライナーを取り付けられる設計も、寒冷地用の軍装ならではの工夫です。
現代のファッションでは、オリジナルの無骨な雰囲気を活かしてストリート系やアメカジに取り入れられることが多く、再現モデルや古着市場でも人気。ミリタリー好きなら避けて通れない、まさに“原点”と言える一本です。
M47カーゴパンツとは?
「M47 カーゴパンツ」は、1947年にフランス陸軍によって採用された戦闘用パンツの型番。M65に並び称される伝説的なモデルで、前期型と後期型に分かれた仕様の違いがマニアの間ではよく話題になります。
前期型は、厚手でざっくりとした質感のコットンツイル素材。無骨で男らしい印象です。一方後期型は、ヘリンボーンツイルと呼ばれる織り模様のある素材で、より軽やかでファッション性の高い風合い。どちらも耐久性は非常に高く、長く履き込むことで味が出るのが魅力です。
そして特筆すべきは、ウエストから裾にかけての絶妙なテーパードシルエット。ダボつきすぎず、かといって細すぎず、現代のトレンドにもマッチする洗練された形です。古着屋やミリタリー専門店では状態の良いM47は高額で販売されており、ファッションアイテムとしての価値も年々上がっています。
ワークパンツとカーゴパンツの違いとは?
「ワークパンツもカーゴパンツもどちらも作業着でしょ?」という声もありますが、実際には明確な違いがあります。
ワークパンツは、主に工場作業や建築現場などの労働環境で使われるパンツ。素材は厚手で丈夫なデニムやキャンバスが多く、ハンマーループやツールポケットといった職人用ディテールが備わっています。
一方でカーゴパンツは軍事用途が起源。戦場での素早い動きやしゃがみ込みにも耐えられるよう、膝のタックや立体構造、ポケットの配置など、動作性と収納性が特化されています。つまり、ワークパンツが「縦の動き」に強いなら、カーゴパンツは「全方向への動き」に対応した設計といえるでしょう。
デザイン的には、ワークパンツがシンプルで無骨な印象なのに対し、カーゴパンツはミリタリーやアウトドア的な“ギア感”が魅力。ファッションとしてのアプローチも全く異なります。
カーゴパンツとはメンズファッションの定番
カーゴパンツはメンズスタイルにおいて“ラフさ”と“男らしさ”を両立できる数少ないボトムス。ミリタリー・アメカジ・ストリート・アウトドアなど、さまざまなジャンルで活躍する万能アイテムです。
ゆったりとしたシルエットのモデルは、パーカーやワークジャケットと合わせて武骨な雰囲気に。逆にテーパードカーゴを選べば、シャツやジャケットと合わせて都会的なスマートスタイルにも対応可能です。
近年は「脱スーツ」「オフでもかっこいいパパスタイル」が求められる中で、カーゴパンツの活躍シーンがさらに拡大。ビジカジ仕様のスリムカーゴや、黒やネイビーなどシックな色合いのモデルも人気で、あらゆる年齢層の男性にフィットする存在になっています。
カーゴパンツはレディースにもおすすめ
カーゴパンツはレディースファッションにも自然に取り入れられるボトムスとして、今や定番化しつつあります。
以前は「メンズっぽくて履きにくい」というイメージがありましたが、現在ではウエストゴム・ストレッチ素材・テーパードシルエットなど、女性に寄り添ったデザインが急増中。
特に人気なのが、ハイウエストタイプやクロップド丈のカーゴ。脚長効果や足首見せによる“抜け感”が作れるため、カジュアルな中に女性らしさを残せます。さらに、ピンクベージュやホワイト、カーキなど柔らかなカラー展開も魅力のひとつ。
きれいめブラウスやショート丈トップスと合わせれば、甘辛ミックスのトレンドコーデに。ヒールやパンプスを合わせれば、カジュアルすぎず上品な仕上がりに。子育て中のママにとっても、収納力・動きやすさ・おしゃれ感の三拍子が揃った心強いアイテムです。
まとめ|カーゴパンツは機能性とファッション性を兼ね備えた万能ボトムス
カーゴパンツとは、もともと軍服として誕生した高機能パンツであり、今やファッションに欠かせない存在です。M65やM47といった名作モデルはもちろん、ワークパンツとの違いや、メンズ・レディースでの着こなしの幅も非常に広く、多くの世代に愛されています。
その魅力は、ただ無骨でカジュアルなだけでなく、機能性・デザイン性・汎用性のバランスが絶妙であること。スタイルやシーンに合わせた選び方ができるため、一本あるだけで着こなしの幅がぐっと広がります。ぜひ、自分らしいカーゴパンツの楽しみ方を見つけてみてくださいね。
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